物理学博士、東大の先輩と食事をして気づいた点

今週は仲の良い素粒子博士と、会社の元先輩と食事をした。両方共別々の飲み会だった。

 

素粒子博士(同い年)との会話

 素粒子博士は、1年半程度で二階級昇進しており、凄い勢いで出世をしている。僕も知っている前職のパートナー(彼にとっては元上司)に誘われて転職をしたらしい。前職で出世した直後に、ポジションが上がる転職をしたという訳もあるが、素晴らしい。

彼を引き抜いたパートナーは先見の明があると思うし、長期的に考えると優秀な男はやはりそれに見合ったポジションを与えられるのだろう。

 

 彼との会話で気になった点について書きたい。出世の話になり、30前半でパートナーになる人の話が出た。彼はそんなに生き急いでどうするのかと言っていたのが引っかかり、僕はそれは事例次第だろうと言った。彼はパートナーに対して憧れがないからそんな達観したようなことを言っているが、彼の青春を捧げた物理学の世界の事例だったら同じことは言わない。僕は専門外だが、仮に物理学の世界で30代前半で卓越した研究結果を出したら、彼は凄いというだろうし、「そんなに生き急いでどうするのか」等とは言わない。なぜならそれは人生を捧げる価値があることだと彼はわかっているから。彼が全く価値を置かないポジション、この場合はコンサルファームのパートナーだが、それを目指して全力で取り組むことに対して無意味さを感じ、達観したようなことを言ったのだろう。

 一緒に働いている時もコンサルタントに失望を重ね、最後はパートナーにもがっかりしていた彼だからそう思うのはわかる。彼も僕のコメントは正しく、物理学の世界の事例だったらそうは思わないと言っていた。一方で、生活のために自分が価値を置かないコンサルティングに所属している自分を皮肉っているとも思えた。今はコンサルティングファームで良い経験とポジションが与えられているようなので、所属していることのメリットはあると思うが、いつか彼が自分が価値を置く目標をみつけ目指すのを祈っている。

 

東大の先輩との会話

 モデリングについて書きたい。僕の理解ではモデルとは「世界をある切り口で単純化したもの」である。ただ、ちょっと調べてみると学問によって違うらしい。

kotobank.jp

 

 複雑な要素で構成されている世界を少ない要素(単純化)で説明することに楽しさを覚えると先輩が言っており、確かにそうだと思った。人間は複数の要素を理解することはできないから、モデルは人間が世界を理解するための見方とも覚える。熱伝導モデル等の、物理モデルはまさにその証左だろう。

 ただし、Deep learning等のアルゴリズム(手順)はモデルなのかどうか気になった。アルゴリズムはそういうものであって、何かを説明しているのだろうか。例えばDeep learningで株価を予測するアルゴリズムを作成した場合、そのアルゴリズムは株価を予測できる道具ではあるが、株価の世界を説明しているのだろうか?

 この部分は自分でも整理はできていないが、単純化された物理モデルのように(例えば運動方程式のv=at)、世界をより理解できるもの方が先輩と同様に自分も興味を持てそうな気がする。

 上記のように考えるキッカケがあったため、忘備録として記事を書いた。