中華帝国の構成要素としての日本が見える/中国がガラパゴスから抜け出す

中国はもともと日本より経済的に優れており、属国としての日本がみえる

1900年代より日本は中国より経済的に豊かであり、今の時代に生きている人は歴史的にみると日本は中国に規模の面で劣っており、たまたま産業革命が早かったことから2008年に追い抜かれるまで勝っていたに過ぎない。

中国が日本を追い抜いて10年、差はどんどん広がっている。中国は日本には目もくれず、その先であるアメリカを目指し、HSBSのレポートによると2030年には並ぶという分析もあるらしい。

https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2018-09-26/PFMYR76S972E01

 

また、この前の9月にソウルへ行ってきたが、規模の面から昆明などの中国の一都市にとどまっている印象を受けた。東京はまだ一都市でではないと感じるが、いずれ中国がもっと発展したときにはソウルと同じように中国の一都市にとどまる規模になり、州都である昆明や貴陽と同じ地位になるのかもしれない。つまり、大中華帝国内に、韓国州、日本州の州都としてソウルと東京が位置づけられる未来がみえるような気がした。アジア全体に広げると、ベトナムハノイ、ホーチーミン、ラオスビエンチャンになるのだろう。

 

中国初のビジネスや技術が世界にスケールする時代が来る

 また今日は週間ダイヤモンドに面白い記事があった。「チャイナイノベーション」が変化しているとのことだ。今までは、モバイル決済を中心としたフィンテック、配車アプリ、シェアサイクル、ライブコマースといった産業が中心だったが、オラクルが強いデータベースやインテルが強い半導体といった要素技術の開発に注力しているとのことだ。

これには同意で、私自身中国のイノベーションはビジネスモデルであり技術ドリブンでは無いと常々感じていた。特に中国市場は①既得権益が弱い、②人権が弱い、③人件費が安い、の3つに独自性があり、それを活かしたビジネスが多いという仮設を持っている。あまりに独自性が強いため日本にそのままもってくることができず、平安保険等々、注目されている会社はあるが、普遍性がないため世界にスケールするビジネスにはならず、当然日本にも持ってこれない。そのため中国は凄いのは誰もが感じているが、一方で中国初のイノベーションを問われると答えられない状況が続いていた。

 しかし、要素技術開発においてアメリカと張り合うとなると話は大きく変わってくる。技術は自然科学をもとにしていることが多く、普遍的であり、当然世界共通で使える。オラクルデータベースでなく、アントファイナンシャルデータベース。「インテル入っている」ではなく「アリババ入っている」となる時代が迫っているのだろうし、私としては日本の技術が一時期アメリカ市場でうまく行ったように、中国も同じ時代が来るのだと思う。10倍性能が良ければ、ロイヤリティが高いユーザーも資本主義の論理でアメリカ製品から中国製品に切り替えるだろう。

 違う論点から、ビジネスモデルの輸出はスケールするかどうかという問題がある。技術の輸出、カルチャーの輸出、ビジネスモデルの輸出、等々世界への展開は色々あるが。ビジネスモデルの輸出は現地の規制や文化に大きく依存するため、その中でも技術の輸出が一番普遍的で今後の中国にとっては明るいと思う。

 

それを踏まえてどう生きていくか

 一番大切なのは、そのような未来が来るだろうという仮設を持って、どのように生きていくか、言い換えると自分のリソースである時間、金をどのように配分していくかを決めることだ。

 まずどうやってお金を稼ぐのかを考えたい。①中国市場で製品やサービスを売る、②中国企業の日本支店で働く、③中国のイノベーションをマネして日本で売っていく、等が考えられる。MECEではないが、ざっくりなので良いだろう。

 日本人が中国市場で製品やサービスを売っていく①はハードルが高いと思う。あと、やはり日本人だから日本人の生活をもっと便利にしていくビジネスに関わりたい。そうなると②③が有力候補になるが、どちらも求められるスキルは似ているため絞る必要はないと考えている。中国語、英語、日本市場でのセールススキル(個人、法人)、こういった能力が必要だと思うが、両方とも同じだろう。

 以前から興味はあったが、中国に留学するのが面白そうだと感じている。MBAか他の修士か博士かわからないが、今後10年を見据えた時、良い投資になるし、コスパ度外視で良い経験になるように思える。もともと中国文化には興味があったので、より学びたいという思いと、華道を生かして向こうで頑張るという選択肢もあるため、考えていきたい。